中国SEM、Baiduリスティング広告、マッチング形式の活用について
前回の記事でも紹介しましたが、中国の検索エンジン市場ではBaidu(百度)の利用シェアが非常に高いです。中国現地法人だけでなく、日本法人であってもBaiduのリスティング広告を利用している企業は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、Baiduリスティング広告について、少し細かい部分を紹介したいと思います。
Baiduリスティング広告のマッチング形式
リスティング広告のクリック単価は年々上昇傾向にあるため、人気キーワードを上位表示をさせようとすると、クリック単価はすぐに10元や20元を超えてしまいます。そのため、費用対効果をあげるためには、適切なマッチング形式の利用が重要となります。
マッチング形式を上手く活用することで、クリック単価を下げたり、ターゲットをもらさずアプローチすることも可能となりますし、戦略構築や運用法もわかりやすくなりますので、マッチング形式を理解しておくと良いと思います。
Baiduのリスティング広告では、基本的には以下の3つのマッチング形式があります。
- 精确匹配:完全一致 → 検索ワードが出稿ワードと完全に一致している
- 短语匹配:部分一致 → 検索ワードの一部が出稿ワードと一致している
- 广泛匹配:広範一致 → 検索ワードの範囲(意味)が出稿ワードに関連しているワードが含まれる
この3つのマッチングタイプは、下になるほどターゲットの範囲が広くなります。この部分は、非常に分かりやすいと思います。
ただ、ここからは少し複雑になります。部分一致には、更に細かいマッチング方式を選択する必要があり、この活用が非常に重要となります。(残りの2つはありません)
部分一致に存在する3種類のマッチング形式
部分一致の中には、さらに以下のような、3つのマッチング形式があります。
- 短语 - 精确包含:検索ワード内に、出稿キーワードが完全一致する形で含まれる
- 短语 - 同义包含:検索ワード内に、出稿キーワードに含まれる単語や同義語が含まれる
- 短语 - 核心包含:検索ワード内に、出稿キーワード内に含まれる重要なキーワード(Baiduが判断)もしくは同義語が含まれる。
言葉の説明だとわかりにくいので、Baiduが部分一致説明に利用しているものを整理してみました。
この図は、「福特福克斯改造(フォードフォーカス改造)」というワードで、各マッチング形式を選択した時に、検索ワード(一番左)ごとに表示される状況を表しています。
「1」については、特に説明はありませんね。
「2」については、出稿キーワードを単語に分けて、その単語(同義語を含む)の並びが変わっていたり、間に違う言葉が挿入されている場合も広告が出稿されます。
「福特福克斯改造(フォードフォーカス改造)」を単語レベルで見ると「福特(フォード)」、「福克斯(フォーカス)」、「改造 (改造)」の3つに分解してみると、上図が理解しやすいと思います。
「3」については、「2」との違いが少し難しいのですが、やはり単語レベルで判断していますが、説明をみると、Baiduが重要だと思われるキーワードを判断し、そのワードと一致していれば広告が表示されるようです。
今回の例の場合は、重要ワードは、「福克斯改造 (フォーカス改造)」で、その部分と一致していたり同義語の場合は広告出稿となるようです。
マッチング形式の選択時には、否定語も設定しましょう。
若干、不明瞭な部分もあるのですが、運用する上で私が重要だと思っているのは、完全一致と、部分一致(特に「1」「2」)の使い分けです。これらの使い方によって、コンバージョンレートはかなり左右されるので、意識して使い分けするとよいと思います。
最後に補足ですが、マッチング形式を利用して、範囲を広くなる場合、「否定語」の設定も行いましょう。管理画面では、「出稿ワード」と「検索ワード」の相関が確認できますので、そこから否定語を設定したり、アカウント単位で設定することも可能です。
以上がBaiduのマッチング形式の紹介となります。自身で運用される方は少ないと思いますが、戦略構築や改善施策を考える際に参考にして頂ければと思います。